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Vol.13 - 2
2005/12/09発行

徳永 義光  メディカル・ブティックをめざして
 
            ALBA OKINAWA CLINIC 徳永 義光(4期生)

 増田会長はじめ同窓会の運営に日々ご尽力なさっておられます先生方、およびスタッフの皆様本当にご苦労様です。そして今回このような投稿の機会を頂きましたこと心より感謝申し上げます。
 このたび平成17年10月1日糸満市字潮平にて不妊専門クリニック『ALBA OKINAWA CLINIC』を開設いたしました。当クリニックは近接する「かみや母と子のクリニック」と連携しつつ、女性のトータルライフをサポートすることを目的にしております。診療内容は体外受精‐胚移植を中心とした高度生殖医療および一般不妊治療、内分泌検査・治療、ブライダルチェック、更年期カウンセリング・治療です。
 不妊治療は一般的に辛いもの・痛いものというイメージが強く、本来健康な人たちが治療を進める中で不健康になっていくことが多いのが現状です。通院する方も一生懸命、治療する我々も一生懸命なのに何故どちらも満足できないのだろうと疑問でした。不妊治療の成績はどんな技術を用いても1回あたり20〜30%です。裏を反せば70〜80%が妊娠しないということです。でも妊娠率は低いと知りつつ治療を希望するのは受ける側の方です。我々は精一杯の技術を提供していきますが、妊娠しなかったというだけでそれが受ける側の不満足につながるのは何故でしょう。それは受ける側が自分達で選択していない・自分達が参加していないと感じるからではないでしょうか。不妊治療を受ける方は高額な治療費をはらいます。それは満足感を得るためです。ならば我々に求められ、我々が目指すべきものは治療を受ける方々の満足感といえます。そのためには高度で確実な技術はもちろん、相手が納得できる説明を十分に行うこと、今後の見通しを親身になって考えてあげることが必要になってきます。さらには経済的に治療を受けやすくするために、就労者が通院のために休みを取らないで済むような配慮も必要でしょう。
 ALBA OKINAWA CLINICは朝7時から夜8時まで受付しており、通院者様の仕事と治療の両立をサポートしています。またスタッフのユニホームを従来の白衣から、清潔感あふれる企業で見かけるようなユニホームに変え通院者様の緊張をほぐすようにしました。院内は白を基調にし、装飾品やライティングがより効果的になるようにしました。さらに待ち時間のくつろぎに、また夫婦の語らいの場になればと考えカフェを併設しました。そして来院者はPHSを持ち、待合室のみで待つことなくカフェを含めた敷地内どこにいても呼び出しできるようになっています。このシステムは個人情報の保護の観点からも効果があると考えます。このような施設・設備の中で患者をあえてゲストと呼び、「ゲストの満足をスタッフの満足に」を合言葉として小さな配慮を忘れないサービスを提供してゆきたいと考えています。
 ALBA OKINAWA CLINICの「ALBA」とはイタリア語で「夜明け・始まり」の意味です。このクリニックで我々はメディカルブティックの新しい一歩を歩み始めています。琉球大学医学科同窓会の皆様これからもよろしくご指導お願いします。